上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ15 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ER 74】

魚骨による小腸穿孔.small bowel perforation by a fish bone


図5〜図7の↑は線状の異物で魚骨を強く示唆し,図6と図7では腸管外に貫通しており,図3〜図8で周囲脂肪組織の濃度上昇を認め(▲),図4〜図8の小腸は壁肥厚を呈しており(△),魚骨による小腸穿孔と診断できる.手術で同所見が確認された(図Aと図B).







参考症例(魚骨による小腸穿孔): 76歳男性.5時間前急に心窩部痛が出現し,まもなくして嘔吐を伴った.体温:37.3℃,心窩部から臍上にかけて圧痛,反跳痛と筋性防御がある.↑は魚骨で,▲は遊離ガスの可能性が高い.手術で3.5×2.5cm大の魚骨(図C)による小腸穿孔を認めた.






文献考察:消化管異物86例(表1〜4)
消化管異物86名の検討
  Author:小林信(沖縄県立中部病院 外科), 天願俊穂, 福田明輝, 西関修, 鈴木嘉一, 松浦謙二, 石田有宏, 新城憲, 嘉陽宗史, ぐし宮城正典, 本竹秀光, 上原哲夫, 大久保和明, 平安山英盛
  Source:沖縄医学会雑誌(0911-5897)42巻4号 Page24-27(2004.05)
  Abstract:2000年1月〜2003年8月に消化管異物を主訴に当院救急センターに来院した86名を, 外科的primary careの観点より検討した. 年齢分布は, 5歳以下と61歳以上で全体の60%を占めており, 2峰性の分布を示していた(表1).異物内容は鋭的異物36例, 鈍的異物42例, 不明8例であった. 鋭的異物では魚骨が最多で25例, 鈍的異物は肉塊が最多で11例であった(表2). 異物の停滞部位は食道42例が最多であった(表3). 転帰は入院例26例, 救急室より帰宅した者が60例であった. 入院26例中, 手術例は5例, 全麻下内視鏡下摘出は21例であった. 帰宅60例中, 処置を要したものは21例, 保存的に外来経過観察が5例, 異物不明で無症状のため帰宅となったものが34例であった(表4). 86名いずれも合併症を認めなかった.

拡大画像を見る

拡大画像を見る

拡大画像を見る

拡大画像を見る
  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ9 【症例 RR 41】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】  【 ご意見 】 

copyright © 2010 Tokushukai All Rights Reserved
copyright © Yoshifumi HORIKAWA